アニソンの話をアニメブームと絡めて話そうとしたら、混沌とした件

ヲタトーーク!
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ワイ氏、世間でもかなりのアニソン好きだと思ってるんですが、大好きなヨルさん抜きにSPY×FAMILYのオープニングに完っ全にヤられまして。千葉ロッテの佐々木朗希投手を前にしたオリックスバファローズ打線並みに(不吉な例え)。とにかく観てもらったほうが早いので、動画どーん!(速攻でオープニングだけ公開してくれる公式さんありがとう!)

アーティストタイアップなのに、歌詞も曲も完全に解釈一致。だからこそ、素敵映像もついて完膚なきオープニング映像になるわけですが、そこに辿り着くまで(いや、あんたは何もしていない)には、紆余曲折があったなぁ……という思い出話でございます。今回も……長いぞ!(またか……)

アニメソング黎明期(60~70年代)

そこからするか!って感じですが、生まれる前(ワイ氏76年生まれ)は、アニメソングはあくまでテレビまんがのおまけ程度でした。だから、1社提供で主題歌にまでスポンサー名が入る例も多々ありました。

70年代は、みんな知ってるようにタイトルや歌詞に作品名が入る鉄板アニメソングがたくさんありました。「マジンガーZ」や「ゲッターロボ」のような必殺技説明&作品名呼称系、「キャンディ・キャンディ」や「エースをねらえ!」のような状況設定説明&作品名呼称系など。そして、黎明期の合唱団系から歌手による歌唱へと変化していきます。が、当時は商業的な価値があまり無く、レコード会社も力を入れてませんでしたし、いわゆる「アニソン歌手」になる事は、歌手本人も都落ち的な感情を抱いていたそうです(水木アニキや影山ヒロノブの回想インタビューより)。

第1次アニメブームとアニメソング

時代が変わるのが、宇宙戦艦ヤマトに端を発するとされる第1次アニメブーム。テレビシリーズのヤマトもガンダムも古典的なアニソンでしたが(ヤマトは軍歌調だからちょっと違うけど)、アニメのヒットにより商業的な価値が認められるようになり、銀河鉄道999の劇場版で当時ヒット曲を連発していたゴダイゴが楽曲提供したことで、流れが変わりました。ガンダムもやしきたかじんを起用(本人死ぬまで嫌がってたような)、超時空要塞マクロスは作中のアイドルキャラクターを実際のアイドルに歌わせるという新手を見せ、劇場版では主題歌の「愛・おぼえていますか」がヒットを記録。テレビアニメでもヒット歌手だった杏里による「CAT’S EYE」から、タイアップ路線がスタート。様々なアイドル、歌手、バンドがアニメソングを担当するようになりました。

しかしながら、そのなかで作品に合わない歌詞や曲調のアニメソングも続々と登場し、ファンの中でも「アニメソングって?」「アニメソングの定義とは?」といった議論がなされるようになりました。舞台はインターネット……なんて無いので、友人同士や、アニメ雑誌の投稿欄、アニメ関連のラジオ番組、黎明期のパソコン通信などでした。「作品名を呼称しない曲をアニメソングと言えるのか?」「ロボットアニメなのに必殺技を叫ばないなんて!」「だからって、めぞん一刻みたいな作品の主題歌にそういう要素は必要なのか?」「1クールや2クールで変わるアニメソングに重みはないのでは?」「あの作品のこの曲、単に歌ってるアイドル売りたいだけちゃうんか?」などなど。そんなこんなで、議論しているうちに……ではないのですが、マクロス以降に大ヒットを飛ばす作品が出なかったこともあり、いわゆる第1次アニメブームは80年代半ばに終焉を迎えました。当事者のように言ってるけど、当時のワイ氏はまだまだ子供でしたので、伝え話です。はい。

80年代のアニメソング

ワイ氏(繰り返しますが76年生まれ)が子供の頃のアニメソングは、オシャレ寄りに移行しようとしていた時期なのかもしれません。それは、世間がバブル景気に湧いていたのと関係あるのかもしれませんが、子供だったので正直な所はよく判りません。ただ、ロボットアニメの主題歌も必殺技や作品名を叫ばなくなったし、作品の雰囲気にあった曲も増えてきた……ような気がしていました。振り返ってみれば、シティーハンターに「作品名連呼の歌詞」は必要ないからオープニングは「City Hunter~愛よ消えないで~」とタイトルだけで、歌詞には作品名は無くても作品を感じるし、エンディングは「Get Wild」のイントロとあの歌詞が必要だったわけです。ちなみに、作品の最後に曲を被せてエンディングに入るのの元祖はシティハンター。今じゃ鉄板の演出だもんな。あと、きまぐれオレンジロードとか北斗の拳も良いケースですね。北斗の拳はエンディングで思いっきりヒロイン名歌うけど。良き。

まぁ、良いパターンだけじゃなくて土曜19時30分にフジ系でやってたジャンプアニメ(奇面組→とんちんかん)の曲なんかは「これは、高校生たちが出てくるからこういう歌詞なんだ、うん。」と自分自身を納得させていた過去があります。今思えばただのおニャン子タイアップなんですが。

そして、混沌の90年代を迎えるのです。

第2次アニメブームとアニメソング

1992年3月7日19時(平成入っちゃったよ)。テレビ朝日系列であるアニメが放送開始しました。30年にわたり様々な世代(当時の女児と後に大きなお友達と称されるアニメオタク)に影響を与える、美少女戦士セーラームーンの放送開始です。オープニング曲は「ムーンライト伝説」。シングルが10万枚以上売れたそうです。みんな知ってる曲だけど、歴史上重要な曲なので、アニメ使用部分だけでも歌詞引用しますね。

ゴメンね素直じゃなくて
夢の中なら云える
思考回路はショート寸前
今すぐ会いたいよ
泣きたくなるようなmoonlight
電話もできないmidnight
だって純情どうしよう
ハートは万華鏡
月の光に導かれ
何度も巡り会う
星座の瞬き数え占う恋の行方
同じ地球(くに)に生まれたの
ミラクル・ロマンス
信じているの
ミラクル・ロマンス

ムーンライト伝説 作詞:小田佳奈子

当時のワイ氏、本当に感動しました。レトロ調なメロディに乗せて、セーラームーンの少女漫画的部分を完全に描かれていて、「すげぇ!」って思いました。まぁ、当時のオタクは倍賞千恵子の「さよならはダンスの後に」にメロディが似てるからって、無理やりカラオケで歌ったりしてましたが。そう、当時は最新アニメソングはカラオケでほぼ歌えなかった時代です。実はメロディが意図的な盗作でモメたんだけど、それはまた別の話。

そして、セーラームーンの1年後、テレビせとうちをキー局にテレビ東京系列でひっそりと夕方18時に放送が開始されたのが無責任艦長タイラー。現在では当たり前のシステムになっている、テレビ局だけに依存せず複数の企業で資金調達し、制作する「製作委員会方式」を採用した最初のテレビアニメであり、平日18時台のテレビ東京系列の番組がアニメの実験場となった瞬間です。今回はアニメソングの話なんで詳しくはカットしますが、この下地があったからこそ、第2次アニメブームの始まりである「新世紀エヴァンゲリオン」が生まれるのであります。エヴァンゲリオンの残酷な天使のテーゼもアニソンの歴史では重要だねぇ。ロボットアニメ(最近庵野さんが明言してたね)なのに、それを感じさせず、映像も凄いという。ムーライト伝説引用したから、エヴァも引用するか。必要ないだろうけど。

残酷な天使のように
少年よ神話になれ

蒼い風がいま 胸のドアを叩いても
私だけをただ見つめて
微笑んでるあなた
そっとふれるもの もとめることに夢中で
運命さえまだ知らない いたいけな瞳

だけどいつか気付くでしょう その背中には
遥か未来 めざすための羽根があること

残酷な天使のテーゼ
窓辺からやがて飛び立つ
ほとばしる熱いパトスで
思い出を裏切るなら
この宇宙(そら)を抱いて輝く
少年よ 神話になれ

残酷な天使のテーゼ 作詞:及川眠子

この曲はもう、何も言うことないわ。この時点では完璧過ぎた。歌詞から色々と作品内容を詮索できるのも、また良し。

そんなこんなで、はじまった第2次アニメブーム。エヴァの放送は95年10月4日なんですが、その年は「新機動戦記ガンダムW」「スレイヤーズ」「神秘の世界エルハザード」「飛べ!イサミ」「愛天使伝説ウェディングピーチ」と豊作の年で(ごめん、イサミとウェピーは個人的趣味だわ)、そこにエヴァですよ。祭りですよ。で、怒涛のようにアニメが作られるようになりました

翌年にはテレビ東京系列に明らかにオタク向けの深夜アニメ枠が出現。追うように、他局も深夜アニメ制作へ力を入れ、放送されるアニメの本数も爆発的に増えていきました。アニメの本数が増えるということは……そうですね、もちろんアニメソングも増えます。この頃の特徴は、前述のガンダムWのTWO-MIX(高山みなみ)、スレイヤーズシリーズの林原めぐみ(1作目は奥井雅美とデュエット)、天空のエスカフローネの坂本真綾といった声優歌唱系、イサミ(TOKIO)や赤ずきんチャチャ(SMAP)、ちょっと前だけど姫ちゃんのリボン(SMAP)などのジャニーズ系、セーラームーン(花沢加絵)、爆走兄弟レッツ&ゴー!!(山形ユキオ、影山ヒロノブ)などのアニメソング歌手系、みどりのマキバオー(フジテレビアナウンサー)のコメディ系、そして、地獄先生ぬ~べ~(B’z)、名探偵コナン(ザ・クロマニヨンズ)、ドラゴンボールGT(FIELD OF VIEW)、逮捕しちゃうぞ(FLYING KIDS)、家なき子レミ(さだまさし)といったアーティストタイアップ系など、まさに混沌。

そんな中で生まれたのが「るろうに剣心そばかす事件」ですね(ジュディマリのYUKIさんがアニメのタイアップが付くと聞いて、キャンディ・キャンディをモチーフに曲を書いたら、時代物でズッコケた……らしい)。あれは双方の意見を聞いて、思い知らされたね。意思疎通の重要さとか。本当に痛ましい事件だった……。そんなジュディマリのギターだったTAKUYAさんは最近、ラブライブ!サンシャイン!!に曲提供してくれてます。ありがたや~。

TAKUYAさんのYouTubeより

当時のオタク、ジュディマリのメンバーがこんな発言してたら、ブッ倒れるんじゃないか?→ブッ倒れました(当時のオタクなので)。笑ってはいけない淡島24時。

まぁ、るろ剣のスタッフは「明治初期が舞台だからそれっぽい曲」とか全然考えて無くて、多分好きな曲を起用してた。不幸な理由で4話しか使われなかったけど、ラルクの「the Fourth Avenue Café」とかアルバム収録曲を後になって起用してるしな。色々あったけど、いい曲ですよ。

そして90年代後半、ある作曲家がとんでもない曲を2曲も送り出すのです。

檄!帝国華撃団と勇者王誕生!

オシャレ路線というか、タイアップ路線に傾いていた90年代の後半、80年代より活躍していた作曲家田中公平が、マルチクリエイター広井王子とアニメ監督米たにヨシトモの作詞によって生み出したのがこの章のタイトルである「激!帝国華撃団」(セガサターン用ソフト「サクラ大戦」オープニング)と、「勇者王誕生!」(テレビアニメ「勇者王ガオガイガー」オープニング)です。

往年のアニメソングを彷彿とさせる歌詞・メロディ。もちろん欠かすことの出来ない熱い歌唱。アニソンファンは歓喜したものです。かなりのパターンがある両曲ですが、最初のバージョンを紹介しますね。

檄!帝国華撃団
引き裂いた 闇が吠え 震える帝都に
愛の歌 高らかに 躍りでる戦士たち
心まで 鋼鉄に 武装する乙女
悪を蹴散らして 正義をしめすのだ

走れ 光速の 帝国華撃団
唸れ 衝撃の 帝国華撃団

「私たち 正義のために戦います
たとえそれが命をかける戦いであっても
私たちは一歩も引きません
それが帝国華撃団なのです」

街の灯が 消え果てて 脅える帝都に
虹の色 染め上げて 躍りでる戦士たち
暁に 激情を 照らし出す乙女
悪を滅ぼして 正義をしめすのだ

走れ 光速の 帝国華撃団
唸れ 衝撃の 帝国華撃団

走れ 光速の 帝国華撃団
唸れ 衝撃の 帝国華撃団

檄!帝国華撃団 作詞:広井王子

勇者王誕生!
ガガガッ ガガガッ ガオガイガー!
ガガガッ ガガガガッ ガオガイガー!!

怒れ 鋼のサイボーグ 赤いたてがみ 金の腕
光り輝くGストーン 地球の希望 守るため
今こそ 立ち上がれ
人の心の幸せを 壊すゾンダー許せない

ガガガッ ガガガッ ガオガイガー!
ガガガッ ガガガガッ ガオガイガー!!
ファイナルフュージョン承認だ!
今だ! 超人合体だ!
空間湾曲 「ディバイディングドライバー!」
奇跡! 神秘! 真実! 夢!
誕生! 無敵のドでかい守護神 ぼくらの勇者王!
ガッガッガッガッ ガオガイガー!!

走れ 頑強ロボ軍団 朱い眼差し 銀の胸
獅子の絆はGストーン 宇宙の未来 救うため
今こそ 発進だ
人の魂食い破る ゾンダーメタルを打ち砕け!

ガガガッ ガガガッ ガオガイガー!
ガガガッ ガガガガッ ガオガイガー!!
ファイナルフュージョン承認だ!
今だ! 超人合体だ!
鋼鉄粉砕! 「ゴルディオンハンマー!」
夢幻! 不思議! 究極! 愛!
誕生! 夕陽に雄々しくそびえる ぼくらの勇者王!
ガッガッガッガッ ガオガイガー!!

ガガガッ ガガガッ ガオガイガー!
ガガガッ ガガガガッ ガオガイガー!
ガガガッ ガガガッ ガオガイガー!
ガガガッ ガガガガッ ガオガイガー!

魔力! 気力! 超力! ガッツ!
誕生! ヒーロー! くろがねの巨神 ぼくらの勇者王!
ガッガッガッガッ ガオガイガー!!

勇者王誕生! 作詞:米たにヨシトモ

並べるとクソ熱いな!オラ、カラオケで激唱したくなったぞ!ちなみに、高校の部活の先輩とカラオケに行くと勇者王誕生!の多すぎる「ガ」に対応できず(150個以上あるらしいよ!)、いつもぐだぐだになります。これが毎年新年会の2次会のシメだったのになぁ……。もう2年もやってないぞ、新年会。コロナめぇ!!

声優ブームとエロゲーとアニメソングのゼロ年代

とか何とかやってるうちに、世紀をまたぎゼロ年代。アニメの本数は増え続け、出演声優によるアニソンの増加、アニソン歌手の増加、タイアップの増加……と、混沌の時代は続いていた。

この時期に特に多かったのが出演声優による主題歌や挿入歌。林原めぐみ、水樹奈々、堀江由衣、田村ゆかり、平野綾、茅原実里、あとは山口百恵が姑の人とか(何か小ネタを挟まないと気がすまない人ですいません)。

アーティストタイアップ系も大量増加。「え?この人達、今回もやってくれるの?」的なタイアップまで現れ出しました。西川の兄貴は公然とアニメタイアップを熱望するし、FLOW兄貴とかは最終的にアニメ・ゲームのタイアップ曲だけでライブできたぞ!

あとは、KOTOKOや栗林みな実、島みやえい子、川田まみといったいわゆる「美少女ゲーム主題歌」出身の方々の登場。これは、いわゆるエロゲーマーだった自分自身にとっても衝撃的な出来事でした。その中でも、我が嫁が主役のおねがい☆ティーチャーのオープニング「Shooting Star」は当時のオタク的には控えめに言って神曲。そもそも、パソコンゲームでしか聴けなかった(MP3プレイヤーとかはあったけど……って、単語そのものが古いわ!)KOTOKOさんの歌声がテレビアニメで聴けるわけですからね!歓喜。

遠くに光るあの星 二人見上げて
君に出会った運命を思う
何気ないふりで 手の平 触れてみるけど
君は優しく微笑むだけで

気持ちが強くなると 不安の数も増えてゆくから
一度抱きしめた心は どんな時も離さないで

広い宇宙に一人だけの 君が側にいてくれるなら
壊れた時の針もやがて ゆっくり動き出す未来へ
君はそのままでいて

Shooting Star 歌詞:KOTOKO

この曲も、本編との解釈が完璧すぎる。うん。アニメの内容にしっかり合わせた曲が増えだした時期ですね。

あとは、「最強○×計画」(すもももももも~地上最強のヨメ~)や、「もってけ!セーラーふく」(らき☆すた)といった、俗に言うアキバ系の電波な曲が流行ったり、「ライオン」(マクロスF)、「God knows…」や「ハレ晴レユカイ」(共に涼宮ハルヒの憂鬱)のような曲が流行りましたね。個人的には黄金期。ハレ晴レユカイはプリキュアをパクったダンスが話題になって、ニコニコ動画黎明期に踊ってみた動画が大量に投稿されたり、結婚披露宴のオープニングに新婦が歌うハレ晴レをバックに新郎が友人一同と踊ったり、……って、それ、ウチじゃねーか!www

混沌の極みたる10年代

アニメ本数や、放送形態の多様化。声優はアーティスト化が更に進み、アニソン歌手も多様化。ネット発の「歌ってみた」な方々が登場したり、アーティストもアニメソングタイアップを無視できなくなるのが、2010年以降ですね。ホントにたくさんある。

なにか一曲取り上げようと思って考えたのですが、挿入歌とかまで入れると、あまりにも膨大な曲数があるので、本当に悩みました。その中で、アニメソングとして完璧だー!やられたー!と思ったのが、2011年4月~9月放送の「アキバ系向け東リベ(発表順逆やがな)」ことSTEINS;GATE(シュタインズゲート)のオープニングテーマ「Hacking to the Gate」。歌詞を知ってる人にはアレですが、このパターンに弱いですね。ワイ氏。

数十億もの 鼓動の数さえ
あなたには 瞬き程度の些事な等級
過去に囚われて 未来を嘆くも
塵一つ 誤算を許さぬ必然

『無限』に広がる夢も 描く未来も
僕達に許された 虚栄の権利
『有限』それは二つの 針が示す
残酷な約定と 選択へ
Hacking to the Gate

だからいま 1秒ごとに 世界線を超えて
君のその笑顔 守りたいのさ
そしてまた 悲しみの無い 時間のループへと
飲み込まれてゆく 孤独の観測者

命の主張と 無意味な証明
あなたには 退屈しのぎに足らぬ滑稽
支配者きどりの 愚かな種族は
うぬぼれた 稚拙な定理を並べた

『無限』と信じた愛も 空の彼方も
僕達に示された 仮想の自由
『有限』それは無慈悲に 時を刻み
明日さえも否定する 選択へ
Hacking to the Gate

いくつもの 輝ける日々 仲間との約束
無かった事には してはいけない
そのために 時を欺く 残された仕掛けに
もう迷いはない 孤独の観測者

だからいま 1秒ごとに 世界線を超えて
君のその笑顔 守りたいのさ
そしてまた 悲しみの無い 時間のループへと
飲み込まれてゆく 孤独の観測者

Hacking to the Gate 作詞:志倉千代丸

この曲ですが、普通に初見の1話や2話の時点では何もないように思うのですが、中盤までアニメを観て歌詞を意識すると「……ッッ!!」ってなるようになってまして。想像通り、最終話直前でオープニングが2番の歌詞のバージョンに差し替えられるんですね。カット差し替えとともに。なんたるカタルシス!ああ、記憶を消してもう一度楽しみたい。

そんな、10年代。幕開けは放課後ティータイム(けいおん!)だったし、ラブライバーの聖典と言うべき「Snow halation」(ラブライブ!School idol project)も2010年。聴いた人が大体ジャニーズの曲と勘違いし、某テレ朝のアニソン総選挙でスノハレに勝ったとネットが騒然とした「マジLOVE1000%」(うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE1000%)は2011年、そして「オリオンをなぞる」(TIGER & BUNNY)も2011年。『すみませんそこ右に家が』でおなじみ(?)の「紅蓮の弓矢」(進撃の巨人)が2013年……この時点で半分行ってませんよ。この10年ちょっとの間のアニソン界、ホントに凄いことになっています。

他にも「回レ!雪月花」(機巧少女は傷つかない)や、「はなまるぴっぴはよいこだけ」(おそ松さん)、「うまぴょい伝説」(ウマ娘)のようなアキバ系電波ソングに通じるような曲が流行ったり、「ようこそジャパリパークへ」(けものフレンズ)がセールスではなく楽曲として各方面で絶賛されたり、アーティストタイアップも『原作大好きなんで、書きました!』と発表された米津玄師の「ピースサイン」(僕のヒーローアカデミア)や、『藤子・F・不二雄先生の言葉や作品が続々出てくる』星野源の「ドラえもん」など、いい曲ばかり。Mrs.グリーンアップルの「インフェルノ」(炎炎ノ消防隊)も解釈度が凄い。

で、そんな10年代にとどめを刺すのが「紅蓮華」(鬼滅の刃)でした。爆発的ブームになるのは2020年に入ってからですが、説明不要なぐらい、解釈が凄い。そして曲も現代。念の為に、鬼滅は大正時代がモチーフなのですが、そんなの関係ないぐらいでした。「るろうに剣心そばかす事件」なんて、遥か過去だったのです。それを知らなかったのは、もしかしたら当時なんだかんだとバッシングしていた俺たちのようなインターネット老人会的な人種だけだったのかもしれません。

さらなる広がりを見せる20年代

アニメソングの地位向上……みたいな、古のアニソンオタクが思い苦悩していた数々の事象は2020年、「炎」(劇場版 鬼滅の刃 無限列車編)の第62回日本レコード大賞大賞受賞で、解消されたと思います。しかも歌っていたのが、アニソン歌手(と言っても大丈夫)であるLiSAさんだった事が、全てを物語ります。

2021年に入ってもアニソンの勢いは落ちません。何曲もすげぇ!って曲はあるのですが、この年はやはりOfficial髭男dismの「Cry Baby」(東京リベンジャーズ)ではないかと。アニメソングって懐が広いのも魅力ですが(アニメで使われればアニソンだからね)、特徴の一つに転調が多いってのがあると思うのですが、この曲はその転調が凄い。そして歌詞がまさに東リベ。作中の印象的なセリフまで入ってくる。そんな曲をアニメソングとして書き下ろされて、一般的なJ-POPとして聴かれる時代が来てしまったのか!と、衝撃を受けました。アニソンカラオケ連中は転調多い曲平気やけど、普通の人は歌うのも聴くのも難しいよ。自慢や無いけど(急に関西弁)。

そんなヒゲダン(というか藤原聡)が、新たに手かげたのがSPY×FAMILYのオープニングテーマ「ミックスナッツ」な訳ですね。やっと、冒頭の話から繋がった。長すぎるわ!!Cry Babyの時も唸りましたが、今回の曲はもっとヤバい。とりあえず、歌詞引用するよ。

袋に詰められたナッツのような世間では
誰もがそれぞれ出会った誰かと寄り添い合ってる
そこに紛れ込んだ僕らはピーナッツみたいに
木の実のフリしながら 微笑み浮かべる

幸せのテンプレートの上 文字通り絵に描いたうわべの裏
テーブルを囲み手を合わすその時さえ ありのままでは居られないまま

隠し事だらけ 継ぎ接ぎだらけのHome, you know?
噛み砕いても無くならない 本音が歯に挟まったまま
不安だらけ 成り行き任せのLife, and I know
仮初めまみれの日常だけど ここに僕が居て あなたが居る
この真実だけでもう 胃がもたれてゆく

化けの皮剥がれた一粒のピーナッツみたいに
世間から一瞬で弾かれてしまう そんな時こそ
曲がりなりで良かったらそばに居させて
共に煎られ 揺られ 踏まれても 割れない殻みたいになるから

生まれた場所が木の上か地面の中か それだけの違い
許されないほどにドライなこの世界を 等しく雨が湿らせますように

時に冷たくて 騒がしい窓の向こうyou know?
星の一つも見つからない 雷に満ちた日があっても良い
ミスだらけ アドリブ任せのShow, but I know
所詮ひとかけの日常だから 腹の中にでも 流して寝よう

隠し事だらけ 継ぎ接ぎだらけのHome, you know?
とっておきも出来合いも 残さずに全部食らいながら
普通などない 正解などないLife, and I know
仮初めまみれの日常だけど ここに僕が居て あなたが居る
この真実だけでもう 胃がもたれてゆく
この一掴みの奇跡を 噛み締めてゆく

ミックスナッツ 作詞:藤原聡

歌詞一つ一つに作品との関連性を取り上げるような野暮なことはしませんが、とにかくSPY×FAMILY。完膚なきSPY×FAMILY。もうSPY×FAMILY。「ためになったね~」「ためになったよ~」。ワイ氏、アニメ化と聞いて、買っておいた電子の単行本(妻氏に買ってと言われた)ではなくて、少年ジャンプ+で第1話から一気読みしたクチなんですが、それでもわかるSPY×FAMILY感。たまらないので、皆さんは何らかの方法で第3話まで観ていただいて、今週末の第4話に挑んで頂きたいな……と。アニメ観てから曲聴くと、ワイ氏の言っている意味が判ると思うので。

本当は23日に公開する予定のエントリだったのですよ。ところが、ボリュームがおかしくなって公開が1日以上延びてしまったのですが、その御蔭でSPY×FAMILYのエンディングも観られました。こっちも凄いぞ!テレビ東京が「フジが鬼滅でTBSが呪術廻戦?30年近く前からアニメだったらウチだろ!」と社運を賭けたらしいんだけど、それに類わぬ出来。素晴らしすぎる。星野源!お前というやつは!!毎週必見。

エンディング、次男がかわいいね。その時のアーニャの表情が秀逸。……と、ただの「SPY×FAMILYの話がしたいだけのオタク」になって、このエントリをシメようと思います。ぎゅ。

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